2017年03月29日

東芝の深い闇

東芝の2017年3月期の債務超過額が、「1500億円」から「6200億円」に増加しました。

事実上の倒産状態です。

東芝、17年3月期の最終赤字1兆円超 債務超過6200億円 国内製造業で過去最大 日経

東芝の2017年3月期の連結最終損益が最大で1兆100億円の赤字(従来予想は3900億円の赤字)となる可能性も発表した。

赤字額は09年3月期に日立製作所が記録した7873億円を上回り、国内製造業としては過去最大となる見通しだ。

これによって東芝の債務超過額は17年3月末で6200億円となる可能性も明らかにした。


3月期の赤字額が「1兆100億円」であり、過去の製造業では最大です。

債務超過額は「6200億円」です。

本日、午後5時45分から開かれた東芝の会見はこれです。



あいも変わらずのらりくらりと要領を得ない会見でしたが、ウェスティングハウスの株主であるカザフスタン・カザトムプロム社が保有している10%の株式を、10月1日から行使可能な売却(プット)オプションの権利を行使すれば、1000億円の損失が出ると言っていました。

東芝メモリも、為替が1円変動すれば、60億円の影響がある。

東芝は、損害賠償訴訟はない、これ以上の損失リスクはないと言明していましたが、少し違和感を感じました。

そうあって欲しいという願望のように聞こえました。

ウェスティングハウスは、チャプター・イレブン(連邦破産法第11条)を申請し、経営破綻しましたが、これ以上の損失はないと言っています。

ところがよく会見を見ますと、どうやら裁判所の再建計画と進捗状況次第であり、東芝側からはそう言わざるを得ないのかもしれませんが、裁判所の再建計画次第では新たな損失が発生しそうです。

コラム:米WHの破産法申請で電力2社の前途多難 ロイター

何か一方的に東芝が、WEC(ウェック・ウェスティングハウス)を無理やり切り離した感じがしますが、裁定はアメリカ側に移ります。

スキャナ電力・サザン電力・ウェスティングハウスに東芝が協力しながら今後も原発の工事は進めるようです。

米電力会社、スキャナ(SCG.N)とサザン(SO.N)の2社のために建設が進む2カ所の原子力発電所でのコストが想定を著しく上回ったことを受け、東芝(6502.T)傘下の米原発子会社ウエスチングハウス(WH)は28日、米連邦破産法11条の適用を申請する。

ただ、債務整理の過程では、契約条件や損失、融資や税金を巡り交渉の長期化が避けられない。

たとえ原発が完工したとしても、これらの電力2社には大きな負担がのしかかることが予想される。


この電力会社2社、スキャナ電力とサザン電力の重い負担は当然、損害賠償請求されるはずであり、特にサザン電力は資金をウェスティングハウスに提供して、原発工事をしています。

資金繰りができなくなれば、アメリカ政府から83億3000万ドル(9200億円)の融資保証を受けておりますのでここから資金を拠出することになりますが、これは当然アメリカ国民の税金です。

工期が長引けば長引くほどその負担はアメリカ国民が被ることになる。

裁定はアメリカ側に移っている。

東芝が知らぬ存ぜぬで通せるとは思えない。

一風変わった設計や建設業者のトラブルなどから工期が3年以上延び、費用は制御不能なまでに膨れ上がった。

上場を維持するため傘下の半導体子会社の入札による売却を余儀なくされている。

一方でWHの負債をだれか引き受けてくれるかどうかについての見通しは暗澹としてきた。

韓国電力公社(KEPCO)(015760.KS)が先週、WH買収に関心を持っていないと表明したからだ。


ウェスティングハウスの引き受け手としてスポンサーの名前として上がっていた韓国電力公社ですが、初めは即座に動くことはないと言っていました。

東芝と話し合っているとは言っておりましたが、WHの財務内容や負債規模が分からず、すぐに買収に動く必要性はないと言っていたのです。

ところがこの記事では韓国電力公社は、WH買収に関心はないと一蹴しています。

WHが必要とする費用は想定を超えているためであり、引き受け手がない。

スキャナとサザンは、計画を自ら引き継いで東芝から補償を請求する道もある。

しかし、モルガン・スタンレーのアナリストは、今後必要な費用は想定を85億ドル上回る可能性があり、これは両電力会社の株主が織り込んでいる水準の2倍以上の金額だと指摘している。

アナリストは、東芝がこの費用の差額分を支払うことができるとは考えていない。

ジョージア州にあるサザン傘下の電力子会社はこれまで、資金調達コストだけでも毎月3000万ドルが必要になるとの見方を示している。

計画を中止することにもリスクがある。


85億ドル(9400億円)!!

こういった不透明でリスクの高い企業に関心を示す企業があるとは思えない。

東芝は一体、誰にWHを売ろうとしているのでしょう?

サザンには別の問題がある。

ジョージア州での計画から手を引けば、同社はエネルギー省から借り入れた26億ドルを巡り窮地に立たされることになる。

WHの困窮が両電力会社の問題に直結しており、他の電力会社の目には、原子力というものがより扱いにくいものとして映る結果となっている。


アメリカ・ファーストの大統領が、このスキャナ・サザン電力、WHの困窮を見て、東芝に有利な対応を取るとは思えない。

結局、損害賠償や違約金等々と言った内容で東芝に負担を課す判断をしていくのではないか。

何がしかの内容でね。

カザトムプロム社がプット・オプションの権利を行使すれば、東芝はWHの株式を100%保有することになる。

そして連結決算から外したといっても、そのWHの株式を買ってくれる企業は見当たらない。

WHが受注している中国の三門・海陽原発の4基の原発についても爆弾が囁かれています。

東芝が抱える「中国原発」という爆弾 SPA

原発事業での失敗はアメリカだけではなかった。

情報が乏しい中国での事業こそパンドラの箱だった!

WH社はさらなる爆弾を抱えている。

同社は中国・浙江省の三門原発と山東省の海陽原発で計4基の原発炉建設を受注しているが、いずれも工期が3年以上遅れることが確定しており、WH社が巨額の損失を被っている可能性が高いのだ。


BK4_170314_03.jpg


この損失はあらかじめ東芝は認識していた。

『文藝春秋』(’16年4月号)は、’13年に当時の東芝財務部長のW氏が送ったとされるメールをスクープした。

そこには「中国・USのAPプロジェクトは大きな問題を抱えている」と書かれており、監査法人から「失注扱い」するよう指摘を受けたことが綴られている。


3年前、監査法人から受注失敗扱いにしろと言われていたそうです。

「WH社を潰したとしても、『親会社保証』をしている東芝は、約7935億円を支払う義務がある。

先日、米原発事業で計上した特別損失7000億円以上のインパクトがある」(今沢氏)

さらに中国でも、「建設中の4基から途中撤退した場合、6000億〜7000億円の賠償を求められるのではないか」(富坂氏)というから、東芝はWH社を破産させたとしても合わせて1兆5000億円ほどの損失は覚悟しなければならないことになる。


東芝はWHを切り離さなければ倒産してしまいますので、WHのチャプター・11申請は必須でしょうが、そう簡単にリスクが遮断できるとも思えない。

今後、スキャナ・サザン両電力会社が被る膨大な損失やWHの引き受け手不在の状況で東芝だけが、われ関せずで通せるとは思えないわけですね。

東芝の闇は不透明であり、まだまだ深そうです。

明日の臨時株主総会は、どうなるでしょうか?


posted by 管理者 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済