2017年05月15日

東芝ゾンビ

東芝の「なんちゃって決算」がでましたが、実際は監査法人の承認を得ておりませんので決算短信ではなく、業績概要という形で発表しています。

誰もその数字を信じてはおりませんから自称決算だの自己申告だの、酷いのになれば妄想決算、あるいは妄想家計簿などと言われています。

当期純利益は「1兆100億円の赤字」から「9500億円の赤字」と赤字幅は減少し、債務超過額は「6200億円」から「5400億円」に減少しています。

東芝、最終赤字9500億円--「民事再生法など、法的清算をするつもりはない」 CNET JAPAN

6月末までに監査法人の意見を付けた有価証券報告書を提出しなければなりませんが、今からこれは延期するであろうと予想されています。

東芝メモリの売却に関してもウェスタン・デジタル(WD)が本日、東芝メモリの売却差し止めを国際仲裁裁判所に申し立てています。

WD、東芝の半導体事業売却差し止めを国際仲裁裁判所に申し立て ロイター

ついに法的措置です。

米ウエスタン・デジタル(WD)(WDC.O)は、東芝による一方的な事業売却は合弁契約に反しているとして国際的な調停機関に売却差し止めの仲裁を申し立てた。

WDは東芝が今年4月に行った同事業の分社化の撤回も求めている。

仲裁判断の内容によっては、同事業売却が難しくなり、東芝本体の再建計画が見直しを迫られる可能性もある。


東芝メモリの分社化の撤回と東芝メモリの売却差し止めの仲裁裁判は、国際商業会議所(ICC、本部パリ)に求めておりますが、実際の裁定はアメリカのサンフランシスコで行われます。

国際仲裁裁判所による「仲裁判断」は最終判決に相当する結論で、それに対して上訴することはできない。

入札手続き差し止めの命令が下れば、東芝のメモリ事業売却計画が進まず、来年3月末までの債務超過の解消が困難になるだけでなく、上場廃止のリスクが高まる。

さらに、分社化そのものが無効とされれば、東芝メモリの株式を担保に差し入れて主要行からの融資を確保しようという東芝の思惑が外れる事態も予想され、経営再建の先行きに一段と不透明感が増す懸念がある。


これは法的な強制力があり、差し止めの裁定がでますと東芝は東芝メモリを売却できなくなります。

当然、東芝メモリを担保にすることもできず、融資が受けられなくなります。

裁判の期間は申し立てから裁定まで平均1年〜1年半年と言われており、これですと東芝は時間切れです。

そもそも東芝は半導体事業を分社化すること自体が、契約違反であると主張しています。

合意が必要ないのは東芝本体の売却であり、子会社ではない。

もともと子会社に分社化すること自体が違反している。

これは双方の同意なく第三者に売却するのと変わらず、合弁契約違反であると言っています。

WDのホームページにも掲載されています。

ウエスタンデジタルのサンディスク系子会社は、 NANDフラッシュメモリーの合弁事業に関して、国際商業会議所において 東芝に対する仲裁の申立てを行いました

合弁事業とは、緊密なビジネス関係を本質とするものであり、サンディスクと東芝は、自らが望まない相手とそのような関係に入ることを強いられることから保護するために、他の当事者の同意なき譲渡を禁止することにより、自らの合弁事業における利益を保護することに合意しました。

サンディスクの同意なく、合弁事業の利益を関連会社にスピン・アウトし、その関連会社を売却しようとする東芝の試みは、明確に禁止されています。

強制力を持つ仲裁による救済を求めることは、この問題を解決しようとする我々の最初の選択肢ではありませんでした。

しかし、問題解決のために当社がこれまで取った他のあらゆる取り組みはいずれも功を奏さず、それ故、現時点で必要なステップは法的措置であると考えています。


やはりと言うべきか、法的手段に訴えられてしまいました。

監査法人の適正意見も受けられず、東芝メモリの売却にも赤信号が灯りました。

すべてがデッドロックに陥っていると嘆いています。

このWDの法的対応に対して東芝は、今日の会見でこういっています。



会見で驚いたのは、東芝の法的整理に関する質問が何度か出たことです。

東芝の倒産の可能性を予想しているということです。

これは今までの会見ではありませんでした。

海外の報道ではいくつかありましたが、日本では初めてではないか?





日本の報道では、まるで円滑に東芝メモリが売却されるような報道ばかりでしたが、どう見てもWDは無視できない。

もし仲裁裁判所で東芝メモリの売却差し止めの裁定が下されますと、東芝は法的整理に追い込まれます。

すなわち倒産です。

しかも裁定が行われる場所は、東芝に甘い日本ではなく、アメリカです。

アメリカでアメリカ企業が敗訴する裁定が下されるかどうか。

政権は「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領です。

文春が面白い記事を出しています。

記者は以前の会見で「これが決算と言えるんですか」と鋭い質問をしたフリーランスの記者です。

東芝、決算発表できないまま言及した「400億円」規模のリストラ計画

「血のバレンタイン・デー」から3ヶ月。

東芝はいまだ、まともな決算発表ができずにいる。

もう限界だ。

わずか1ヶ月で重要な決算数字がコロコロ変わる。

つまり「平気で嘘をつく会社」の株を公開の市場で取引させることは、日本の株式市場の信用に関わる。

即刻、上場廃止にすべきである。

まともな決算発表ができずにいるのは「監査の問題」なのに、監査委員会委員長の佐藤氏が姿を隠してしまった。

デロイト・グループとして「これ以上、東芝には関わりたくない」という意思表示に見える。

メディアからの質問は、少し前にウォール・ストリート・ジャーナルが書いた「会社更生法の適用申請の可能性」に集中した。

資金繰りの肝であるメモリ事業の売却が予定通りに進まないと、二期連続の債務超過になるため、会社更生法の適用を申請(事実上の倒産)する可能性が高まっているという記事である。

「前回のご説明では、ウエスチングハウス(WH)に対する親会社保証と貸倒引当金は総額8300億円でしたが、今回は9800億円になっています」

平田氏はにこやかに答えた。

平田氏は何を聞かれても、

「はい、はい、どーもー」

と明るく答えた。

この会社はすでに壊れている。

もはや裏でシナリオを描く人間すらいない。

誰もコントロールできない状況に陥っている。

もう長くは持つまい。

構造改革とは人件費の削減。

つまりクビ切りである。

「構造改革費用400億円」といえば、1万人超に匹敵する大量の人員整理が予想される。

それを平田氏は笑顔でさらり言った。

もはや不気味ですらある。


もし東芝メモリを売却できなければどうするのか?

ある記者が質問しておりましたが、「プランBはあるのか?」、と。

綱川智社長は、全く考えておりませんでした。

東芝メモリが売却できなかった場合をまるで想定していなかったのです。

しかして仲裁裁判の裁定はWD有利に作用するはずであり、東芝メモリの売却が差し止められる可能性は、かなり高い。

やはり文春の記者が言うように東芝は、既に「壊れている」のでしょうか。

ならば死んでいるのに生きている「ゾンビ」と変わりません。

東芝ゾンビです。

私もジョージ・ロメロのゾンビ3部作は好きですが、ナイト・オブ・ザ・リビングデッド Night of the Living Dead、ゾンビ Dawn of the Dead、死霊のえじき Day of the Deadですが、不思議なことにこの初期の3部作は、すべてリメイクされており、通常リメイク作品はおもしろくないのですが、この3部作のリメイク作品はすべておもしろいですね。

特にドーン・オブ・ザ・デッドはね。

東芝と何の関係もないですけどね。

ゾンビは頭を撃ち抜かないと死にません。

東芝の頭とは何でしょうか?

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posted by 管理者 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済
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